家族療法について


ファミリー・セラピー(家族療法)とは

 

家族療法は英語でMarriage and Family Therapy、あるいは、Couple and Family Therapyと言います。

 

アメリカにおいて、精神科医療や社会学や社会福祉の等の領域から様々な影響を受けて、政府の精神分裂症(統合失調症)の研究の成果などを踏まえて打ち立てられた理論です

 

 


ファミリーセラピスト(家族療法家・家族療法士)

アメリカにおいて、ファミリーセラピスト(家族療法家、あるいは家族療法士)とは、アメリカ政府がメンタルヘルス(こころのケア)領域における専門家として認める治療の専門家です。

 

ファミリーセラピストは、うつ病、DV、幼児虐待、発達障害、ひきこもり、アルコール関連、摂食障害、夫婦不和(離婚)、プレマリタルセラピー(結婚前のセラピー)など、個人の問題も、親子・夫婦・会社の人間関係の問題もすべて扱います。

 

したがって、アメリカでは保険も適応されます。

 

しかし、日本には、これに相応する資格も訓練機関もありません。海外で訓練を受けて資格を得たファミリーセラピストに巡り合わない限り、日本人が正規の家族療法を受けることは難しいのです。

 

 

 

 


日本における家族療法の理解

日本における『家族療法』あるいは『カップルセラピー』の理解というのは、アメリカの『家族療法=ファミリーセラピー』とは、まったく異なるものです。

 

そもそも、日本の家族療法も、当初は、アメリカの家族療法が日本に紹介されたもので、そのルーツは同じです。

 

では、なぜ日本では、大変狭い内容に限定された『家族療法』として紹介されているのでしょうか?私も、現段階では、きちんと詳細を調査したわけではありませんが、日本における家族療法の黄金期と言われた1990年代以降の論文などによれば、『日本はアメリカとは文化が異なり、同じようには適用できない』として、その後、日本独自の道を進んだものと思われます。

 

そして日本においては、現在、『病人を抱えた家族への相談』、『家族へのコンサルテーション、あるいはカウンセリング』といった意味合いに限定されて使用されています。


しかし、『文化の違い』だけが、理由で日本独自のものとして発展したのであれば、専門家と呼ばれる先生が、家族療法の本質を理解していないと言わざるをえません。

 

なぜならば、本来の家族療法の基礎理論は、欧米の専門家に、『家族療法は、むしろ東洋哲学(あるいは仏教)に近い』と言わせるような内容だからです。

 

残念ながら、現在でも ”家族のための” カウンセリングであると思い込んでいる専門家は多いのです。

特に、日本における、臨床心理士の先駆者である先生方は、家族療法理論も臨床のやり方も知らないと考えたほうが無難です。かりに、知識としてご存知だったとしても、その知識は、アメリカにおける第一世代と呼ばれる、もっとも初期のものです。(現在、この初期の家族療法をそのまま使用している家族療法家(士)は、アメリカでは一人もいません。当たり前ですが)

 

まして、”家族がそろわなければ家族療法ではない”などと思っているとしたら、それはかなり昔の情報です。現在は、個人で来談しても、家族療法(システム療法)を行うのが主流です。

 

もう10年ぐらい前から、アメリカの家族療法(MFT)は、脳神経科学という最新の分野と密接に関連を持ち始めました。あくまでも『治療』を目的とする臨床です(日本では”治療”という言い方はしません)。EBT/EBP(エヴィデンス・ベイスト・セラピー、あるいはプラクティス=根拠に基づくセラピー)を目指しています。

 

マスコミなどによる報道や日本の専門家の情報発信もインターネットというツールが一般的になり、あふれるばかりの情報があります。その情報は玉石混合です。残念ながら、専門家の査読論文でさえ、よい論文は3割ぐらいしかないと、学生時代の恩師が言っていました。その3割を見抜けるように努力しなさいとアドバイスされたことを、いつも思い出します。